若手社員の定着率を上げる育成戦略とは
若手社員が早期離職してしまう原因には、仕事のミスマッチング以外の理由として「成長実感の不足」や「職場内コミュニケーション不全」などがあります。
これらの課題解決に向けた3つのヒントをお伝えします。
- 早期オンボーディングプログラムの充実
入社後すぐに会社のビジョン、業務の全体像、成長機会を明確に伝えるプログラムが(中途採用者に対しても)計画的に、漏れなく実施されていますか?
これらの資料が可視化され、いつでも確認できる状況になっていることは重要です。
新人社員が「自分の役割」を理解しやすくすることで、安心感を得られます。
また、入社後早期に部署横断型ワークショップを実施し、会社の全体像を理解するとともに、新入社員とそれを迎え入れる社員側との交流の機会をつくることは、職場への適応を促進し、早期退職者の減少に役立ちます。
- メンター制度の導入
職場や部門においては、年齢にギャップがある(認識の個人差は大きいが、少なくとも本人がそう思っている)シニア層が多く、若手は「話しかけづらかったり、なかなか小さな相談もできにくい」という声をよく耳にします。
そのため、会社の中に居場所感がもちにくかったり、仕事の習得に支障をきたす、(できて当たり前とみなされるので)達成感や自己効力感を実感しにくい、離職のリスクなどの弊害が生じることが少なくありません。
このような問題を回避するために、年齢や職種の近い先輩社員を「メンター」として若手社員とペアにするという方法があります。
業務だけでなくキャリア、また時にはプライベートな相談にも応じる仕組みを作ることで孤立感を防ぎます。
K社は、メンター制度を導入した後、若手社員のエンゲージメントスコアが15%向上しました。
注意点としては、社内でメンター制度の目的や方法・注意点等を共通理解した上で実施しないと、個人によって支援の考え方が異なったり、形骸化するという問題点もあります。
そこで、支援する側の部下の力を引き出すコミュニケーションやコーチングのスキルについて学ぶ機会を設けることが相互成長の鍵になります。
- キャリアビジョンの明確化支援
多くの新入社員は配属された部門の担当業務を一人でできるようになることを目標として努力しますが、ある程度できるようになると次の段階や将来のことを考えるようになります。
中には、「自分がこの会社で何を達成するのか」が見えなくなったり、「自分の強みは何か」「自分はどのような人生を送りたいのか」を考え不安になったり、別の道への転職を考える者も出てきます。
そのようなキャリア迷子を防止するために、社内にどのようなキャリアの道筋があるのか、自社の「キャリアマップ」が明確に示されていることが重要です。
「キャリアマップ」は本人が成長のマイルストーンとして具体的な目標を設定したり、仕事の選択肢を検討するために役立ちます。
それを用いて半期ごとに個別キャリア面談を行い、若手社員自身が仕事を通して成長する姿をイメージできるよう短期目標と長期目標を見出せるよう支援することが、若手社員のモチベーションを維持と成長につながります。
成功事例
T社では、キャリア面談で3年後にプロジェクトリーダーになる道筋を具体化したことで、若手社員の3年定着率が20%向上しました。
企業のビジョンと若手社員の成長目標をリンクさせ、組織内で活躍し続ける環境を作るための仕組みづくりをご支援しています。