なぜ中小企業こそ人材育成が重要なのか? ~3つの理由~

2025年01月29日 新着情報

多くの中小企業において「人材不足」やそれによる現場担当者困窮の声を耳にします。わが国の人材不足は、既に始まっており、2030年には341万人の人出が不足するとの推計が出ています。

持続可能な企業であり続けるために、いったい何が必要なのでしょうか?

もちろん、売れ続けるビジネスモデル(事業)が不可欠であることは言うまでもありません。しかし、事業がいくらよくても、それを遂行する人や組織の育成や体制整備(仕組み化)が追いつかずに、成長期に入ったものの衰退期に向かう企業は少なくありません。

事業と組織(人)は車の両輪です。持続し続ける企業であるためには、事業と組織の両輪を常に基盤強化していくことが不可欠なのです。

しかし、実際には十分な人材育成が行われていない企業も少なくありません。特に中小企業では、限られたリソースの中でいかに効果的な人材育成を進めるかが重要です。

 

1. 組織の成長=社員の成長

中小企業では、一人ひとりの役割が大きく、個々のスキルアップが組織全体の成長に直結します。大企業と異なり、業務の分業化が進んでいないため、業務の仕組み化と社員の能力を向上させる育成が企業の競争力を高める鍵になります。

 

2.人材の定着率向上につながる

中小企業は大企業と比べて福利厚生や給与面で不利に見えることがあります。しかし、社員が自分の行っている仕事が何のために重要で、世の中のどこに貢献するのかを実感できること、また将来のキャリアアップや成長の道筋が見えるよう環境を整えることで、モチベーションが高まり離職率の低下につながります。

若手社員が「この会社なら成長できる」(成長予感)が実感できる仕組みと機会をつくることで、大切な人材の長期的な雇用が実現します。

 

3. 持続的なイノベーションを生み出す

現代は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)が高く先行きが不透明な将来の予測がつかないVUCA(ブーカ)の時代と言われています。

このような市場環境が急速に変化する時代を企業が生き抜くには、柔軟な発想とスキルが求められます。

社員のもつ個性や強みを生かし適切な人材育成を行うことで、新たなアイデアやビジネスチャンスを生み出し、企業の持続的な成長を支援することができます。

 

ここまで、なぜ中小企業こそ人材育成が重要なのか、3つの理由をお伝えしてきました。

経営者は、「人的資本に投資した企業に人が集まり、投資しない企業は減り続ける分岐点にある」ことを念頭に、自社の現状を点検し、早期対応することが求められています。